尖駆者ノ標制作工程5日目(最終日)

3記事に及ぶ長さと途中の入院によるゴタゴタで執筆が遅れておりましたが、
制作工程記事、今回でやっとこ終わりです。



■5日目@燻しと仕上げ

まず前回ロウ付けし終わったものを、一度洗浄します。
超音波洗浄機を使いフラックスのカスもろともゴミを吹き飛ばします。
ただの水ではなく、食器用洗剤を少しいれた洗浄液を使うと非常に落ちが良いです。

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ゴミが取れました。
そしたら燻し液に浸し、一回目の燻しを掛けます。


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真っ黒すね。
これは凹凸で言えば最も深い溝を表現するための燻しなので、念入りに燻しました。

次に、比較的目の細かいシリコンポイントで全体的に磨き上げます。


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全部キレイに堕とすわけではなく、溝の深い部分は黒いまま残しておきたいので、
大き目のシリコンポイントをメインに使い、研磨していきます。


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全体的に磨き終わりました。
大分ゴミが溜まってるので、一度洗剤入りの洗浄液に浸してカスを取ります。


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深い溝の部分のみ燻しが残っているのが分かります。


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引き上げました。

この時点でもほぼ完成っぽい感じなのですけど、
このままだと、ちょっと燻しと研磨部分があまりにはっきりし過ぎてて、
嘘くさい感じになってます(写真では分かり難いかも)

なので、もう一度燻します。
今回は薄い被膜を創りたいので、すぐに燻し液から引き揚げます。


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写真だと分かり辛いですけど、被膜自体はかなり薄くなってます。


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光沢のある研磨部分と燻しの部分がはっきり分かれるのではなく、
自然なグラデーションが掛かるよう、研磨剤を含ませたカット綿で優しく磨き込みます。

最初の燻しで、一番深い部分(生涯自然研磨されないであろう部分)の黒さを付け、
2回目以降の燻しで、生活する中で燻されたり、
服との摩擦で研磨されたような自然な黒さを表現できればと考えてます。


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薄手の手袋に研磨剤を含ませ、握りながら指の腹で磨くのもオススメ。


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洗浄液に浸す。
洗浄用の容器は牛丼21杯食べて貰ってきた吉野家のどんぶり。

研磨しながらだと、研磨剤やカスが表面に付着しているので、
どの程度磨けているかが分かり難いですから、マメに洗浄しながら進めていきます。
また、場合によっては部分的に燻し直したりなどもします。
そんな感じで、納得がいくまで磨いたり燻したり洗浄したりを繰り返します。

・・・。

ただ個人的には、
シルバーアクセサリーはそんなにかしこまって見に着けるようなものではなく、
普段着のようなアクセサリーであるべきだと考えてます。

ですから、変色して当たり前。
そういった経年変化・変色もひっくるめて楽しむものであり、
正直、そこまで初見の仕上げに気を使っても仕方が無いと思ってます。

とはいえ、やっぱり "初対面の印象" は重要ですからね・・。


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仕上がりました。

うーんやっぱ写真だと、イマイチ分かり難いのですけどね。
まあ現物見ても分かり難いのかもしれないのですけど・・・(白目

私はともかく、ベッタリと筆で黒く塗ったような燻しは好きではなくて、
あくまで「自然に燻され、研磨されたような感じ」が好きです。

そもそも燻し自体が自然現象ですから、
なるべく自然の枠外にはならないような仕上げをしていきたいなあと・・。

ここまでやって乾いたら、あとは保護材を塗布します。


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保護剤を浸したカット綿をピンセットで持ち、全体に塗ります。

塗布し終わったら、このようなプラケースに入れて1~2日放置。
保護材が硬化するのに時間がかかるため、
硬化中にゴミなどが付着しないようにするためです。




さて、そんなわけで尖駆者の標【破砕】の完成までを追ってみました。
他モデルも組み立ての工程が違うだけで、他は概ね同じですね。

中々新作が出せなくて申し訳ないのですが、
原型時点では完成しているものの、あとはもう鋳造待ちという状態だったりしますので・・。
ちょっと、自分にできることは殆どない・・というのが現状です(汗

やるやる詐欺みたいになっちゃってはいるのですけど、
制作自体は地道にやっておりますので、たまに覗いてみてください༼;´༎ຶ ۝ ༎ຶ ༽

by neko_chair | 2018-09-21 08:39 | ・白銀灯少女 制作日誌